「社労士試験にこれから挑戦するけどテキストって本当に必要なの?」
「テキストって何が書いているの?ネットで調べたらダメなの?」
働きながら社労士試験に挑戦しようと考えているあなたに向けて、そのお悩みに答えられる記事を書きました。
私は、会社員として勤務しながら、2021年度の社労士試験に2回目の挑戦で合格しました。社労士試験へ挑戦を始める時、何から手をつけたらいいか分かりませんでした。そもそもテキストがどんなものかも分かりませんでした。
結論から言うと、特にこれから勉強を始める初学者の人であれば、テキストは必須です。
このブログでは、当時の私と同じ悩みを抱えている働きながら社労士試験に挑戦する人に向けて、
・テキストがいらないのはどんな人か?
・そもそもテキストには何が書いているか?
・テキストを使ってどう勉強すればいいか?
をお伝えしています。
このブログを読むと、テキストの必要性を理解したうえで、テキストを使った勉強が自分の夢に最短距離で到達できることをリアルに想像できるようになります。
社労士試験にテキストがいらないのはどんな人?
社労士試験を挑戦するにあたって、「テキストがいらない」人はどんな人でしょうか?
過去に複数回受験して科目別で不合格になっている人
社労士試験の特徴は、合格するためには、①科目、②合計得点のそれぞれの基準をクリアしなければなりません。
私は2回目の受験で合格しました。1回目は②の合計得点はクリアしましたが、1科目だけ合格基準を下回って不合格でした。
私の周囲でも、科目別で不合格になった話はよく聞きました。それが同じ人で何回も起こってしまうというのが社労士試験の恐ろしさです。
つまり、総合力は高いのに、あと1歩のところで届かない人が多いのです。そういった、すでに「合格の実力はつけている」人にとっては不要でしょう。
実務経験が長く、試験全科目について精通している
社労士試験は簡単にいうと、会社の経営資源「ヒト・モノ・カネ」のうち「ヒト」に特化した資格です。
会社の人事畑が長く労基法をはじめとして、健保など社会保険の各法律に精通している人で、「問題集の解説だけ読めば理解できる」という自信があれば必要ないでしょう。
法学部出身で、法律の条文を読む力がある
社労士試験を受けるにあたり、大事な能力に「法律の条文を読む力」があります。記憶力も大事ですが、それと同じぐらい「条文を読む力」を私は重視しています。
もちろん私たちが使う日本語と同じ言語ですが、普段読む小説や新聞では見かけないような表現や言葉がたくさん出てきます。
条文を見たときに、パッと自分の頭で理解できるか。すぐに理解できなくても前後の文脈から「こういうことかな」と推測できるか。全く分からないときに「時間をかけて理解すべきか。今は捨てるべきか」の判断ができるか。
さらには、そこから自分で興味を持って、「健康保険ではこうだったけど、厚生年金ではどういう扱いだろう?労働保険と社会保険の違いはなんだろう?」など、「試験対策として的確な疑問」を持って調べれられるか。
こうした力を持っている人、鍛えてきた人にテキストは必要ないでしょう。
社労士試験の勉強は知識を入れて問題を解く「インプット・アウトプット」の繰り返しです。あなたが①〜③のどれかに該当していて、「インプットは問題集の解説で十分」だと思うならテキストは不要です。
社労士試験に挑む会社員が「テキストはいらない」と言えない理由
ここまで、社労士試験に挑むにあたって、「テキストがいらない」のはどんな人かを書いてきました。
自分にテキストは必要ないな!と改めて思った人もいれば、「いらないと思っていたけどやっぱり必要かな?」と不安になった人もいますね。
かつての私と同じように、会社員として働きながら社労士試験を目指す人、その中でも特に初学者の人に言いたいのは「テキストはいらない」なんて言えない。ということです。
ここまで、テキスト、テキストと書いてきましたが、社労士試験のテキストはそもそもどういうものなのでしょうか?
私は、資格の学校TACに2年間通いました。ほぼ同じテキストを2周した私が、テキストとは何か、そもそもテキストとは?についてお伝えします。
社労士試験のテキストは、主に以下の内容で構成されています。
テーマごとの法律条文・通達など
たとえば労働基準法では「労働時間」「解雇制限」などテーマごとにルールを記した条文があります。労基法は1947年に制定されましたが、当時は想像もできない時代の変化があった際に、条文の解釈や補足をするために役所が出した「通達」もあります。
受験生が覚えるべき内容に、ルール変更のきっかけとなった最高裁判所の重要な「判例」もあります。
ルールの内容が分かっても、人事部署での経験が無ければそのルールがどの場面で必要になるのか想像できないこともあります。テキストでは、ルールの内容に加えて、制定された趣旨や現在の形になった理由なども解説してくれます。
理解度を促す図表での解説
これはテキストならではですね。法律の条文や通達は文字ばかりで、初学者はどこがポイントなのか理解するのが大変だったり、覚えるのに時間がかかったりします。
理解を深めるには時間をかけることも大切かもしれませんが、働きながらだと効率的に覚えたいですよね。
それを助けてくれるのが図表の存在で、条文から必要なところをピックアップしています。合格のための重要なポイントが一目で分かって、短時間で覚えることができます。
毎年の法改正や出題傾向の変化に対応
冒頭で「ほぼ同じテキスト」と書きましたが、それには理由があります。社労士試験の難易度が高い理由の一つに、「毎年のように行われる法改正に対応しなければならない」というものがあります。
社労士試験ではその年に改正された法律から何問か出題されます。テキストでは直近の法改正内容についてもスペースを割いて解説してくれます。
また、過去問と同じ内容が何回も出題されるのも特徴です。何回も出題されるのは基本的なところが多く、受験生は必ず抑えなければいけません。テキストでは、頻繁に出される問題については厚めに紹介し、反対にこの数年出題されていないテーマは扱いが小さくなっていきます。
このように、社労士試験用のテキストは「今年の試験問題で合格させる」ことを目的に設計されています。特に初学者には「テキストはいらない」と言えないことを分かっていただけたかと思います。
「いらない」派に知ってほしいテキストを使った社労士試験の勉強法
ここまで、テキストがどのようなつくりをしているかをお伝えしてきました。
社労士試験の勉強は「インプット・アウトプット」の繰り返しであることはお伝えしてきたとおりです。
アウトプットは多くの問題を何回も解くことにより、自身の現在の理解度や、知識の抜け漏れを確認することが目的です。
インプットは出題範囲のルールを理解して覚えることが目的です。目的を果たせれば手段はなんでもいいですが、効率よく目的を果たせるのがテキストです。
テキストを使ってどう勉強するのかをお伝えします。
初学者の人はまずテキストを隅々まで読んで覚えましょう。音読するのもオススメです。
最初のうちは、何回読んでも理解できないところ、覚えられないところもあります。最初はそれでいいです。社労士試験の出題範囲は広く、覚えるポイントが多いです。得意科目、不得意科目が出てきます。
得意科目の中にも、どうしても覚えられないところもあります。一々、時間をかけていては試験までに全科目終わりません。
一つの科目を1周したら、問題演習です。過去問を解いたり、市販の問題集を解いたりしましょう。間違えてしまったところ、ヤマカンで当たったところが「インプットが足りていないところ」です。
足りていないところが分かったらまたテキストに戻りましょう。「なぜ自分が間違えたか」までを理解できたら、また問題を解く。この「インプット・アウトプット」の繰り返しです。
すでに書いたとおり、テキストは「今年の試験問題で合格させる」ことを目的に設計されています。多くの受験生がつまづくところ、覚えるのが大変なところが凝縮されていて、それを丁寧に解説をしています。テキストを使うことでインプットを効率的にすることができます。
あなたは1年のうち、自分の時間を何時間勉強に使えますか?
社労士試験で合格するには数百〜1000時間の勉強が必要とされています。1年で1000時間勉強するなら、1年のうち、平日5日間は2時間、休日2日間は4時間半コンスタントに勉強する必要があります。
もちろん、時間さえ使えばいいというものではありません。いかに濃い時間にするか。そのために、テキストを使うのは必須です。
それでもあなたの社労士試験挑戦にテキストは「いらない」ですか?
この記事では、テキストの内容やテキストを使った勉強法をご紹介してきました。
テキストを使えば効率的な学習が可能になります。言い換えれば、ゴールまでの距離を短くできる、ということです。
自分の直感を信じて勉強法をトライアンドエラーすることも悪くはありません。ただし、効率という面から考えたらどうでしょうか?働きながら社労士試験に合格したいのであれば、効率よく最短距離でゴールしたくありませんか?
私もそうでした。人事部署での勤務経験があった私は、実務との関連が強い労基法には自信がありました。しかし、健康保険や厚生年金など社会保険関係の法律はさっぱりでした。
私は社労士試験に挑戦しようと決めたら、翌週にTACの説明会に行きました。テキストを見せてもらって、「効率的に勉強できるな」と判断できたのでその場で申し込みをしました。
結果的に2年かかりましたが、テキストを使わなければもっと時間がかかっていたでしょう。
働きながら社労士試験に挑戦するなら、最短距離での合格を目指すなら、テキストは必須です。
それでも、あなたは社労士試験挑戦に「テキストはいらない」と言いますか?テキストを使って最短距離での合格を目指しませんか?