「社労士、って名前を聞いたことがあるけどどんな資格なのか分からない」
「社労士資格を取得したらどんなメリットがあるんだろう?」
リスキリング、転職、社内でのキャリアアップ、希望部署への異動、独立、副業…
人生100年時代において、「サラリーマンの収入だけで生活する」というこれまで一般的だった生き方そのものが「リスク」とされるようになってきました。
老後2000万円問題は耳に新しいところです。この話はうやむやになりましたが、年金だけで現役時代並みの暮らしが維持できないことは事実です。
政府がリスキリングや副業を推奨するようになったのも、「年金に頼らず自分の力で老後のたくわえをしてね」というメッセージです。
そこで、資格を取ろう、資格を取ってキャリアアップしよう、あるいは独立開業しよう、と考えるのは自然な流れかと思います。
このブログを見られている皆さんも、いろんな資格を比較するうちに「社労士」という存在を知った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私は2021年の試験で合格をしました。私自身も自身のスキルアップ、キャリアアップのために挑戦して2年かけて合格しました。それまで、社労士という存在そのものを知りませんでした。
この記事では、当時の私が知りたかった、社労士という資格の魅力や仕事内容、資格を取るとキャリアがどう広がるか?について、分かりやすく徹底解説します。
今回の記事では、
1、リスキリングで注目を集める社労士とは?仕事内容の前にまずは基本情報から
2、キャリアアップにつなげられる資格!社労士の主な仕事内容とは
3、独立・副業も夢じゃない?社労士にできる仕事内容をどう活躍に結び付けるか
についてご紹介します。
それでは、一つずつ詳しく解説していきます。
リスキリングで注目を集める社労士とは?仕事内容の前にまずは基本情報から
そもそも、社労士、正式には社会保険労務士、とはどんな資格でしょうか?
「ヒト、モノ、カネ」という言葉を聞いたことがありませんか?
会社の経営資源を大きく分類したものです。社労士は、そのうちの「ヒト」、つまり労働者に特化した資格です。
労働者に関する法律を網羅している、と言っても過言ではありません。
どんな法律があるかご紹介します。
まず、労働基準法。これは、労働条件に関する「最低基準」を定めた法律です。一番わかりやすいのが残業時間や賃金です。毎月何時間まで残業させていいのか、その場合の残業手当はいくら支払わなければいけないのか、について記されています。
このほか、通勤時や勤務時間中にケガしたときの「労災保険」、万が一失業したときや育児休業する時に生活を維持するための「雇用保険」、病気や出産のときに使う「健康保険」、そして、厚生年金保険。などなど。
社会保険労務士は、労働者が人間らしく働くことを経営者に守らせると同時に、その名前のとおり、労働者の万が一や老後などに備える「保険」について広くカバーしています。
また、社労士は、「国家資格」で、その存在が「社会保険労務士法」によって定められていることも特徴です。
弁護士などを除いて、試験を合格しないと「社会保険労務士」にはなれません。試験は毎年1回、8月に行われており、合格すると、厚生労働大臣の名前で合格証書が届きます。
社労士になると、「労働者や社会保険の専門家」として認められると同時に、法律で定められた社労士にしかできない仕事(独占業務)が受けられるようにもなります。
試験の合格率は毎年1割以下で、この数年はおおよそ6~7%前後を推移しています。狭き門でもありますが、合格すれば「専門家」、プロとして、経営者や労働者から高い信頼を得ることができるようになるでしょう。
キャリアアップにつなげられる資格!社労士の主な仕事内容とは
「労働や社会保険に特化した国家資格の専門家」である社労士はどんな仕事ができるようになるのでしょうか?
先ほど、社労士にしかできない「独占業務」に軽く触れました。
独占業務とは、ある特定の業務に関して、経営者から報酬をもらって仕事を受けることできるのは社労士にしか認められていない、社労士以外が行うと法律違反になる。というものです。
労働や社会保険に関して、会社がやらなければいけないことはたくさんあります。会社を設立する、労働者を雇う、助成金を申請する、労働者が退職するなどなど、様々な場面で役所に対して書類を提出しなければなりません。
会社は人を雇った後、社内でも様々な書類を作成する必要があります。会社に誰がいるのかの名簿や毎月いくら払っているかの台帳、ルールを定めた就業規則など、そういった書類を作成し、また法律の改正に合わせて更新しなければなりません。
そして、労働者の生活を支える毎月のお給料。この月に何時間残業して、何時間分の遅刻があって…という複雑な計算をして、間違わずに毎月、決まった日に支給しなければなりません。
大きい会社であれば人事部の担当者が対応するのでしょうが、小さい会社であれば人を雇うよりも外部に委託したほうがコストを抑えられる場合があります。
そこで登場するのが社労士です。
こういった仕事をお金をもらって対応することができるのは社労士だけになります。
また、厳しい試験を突破した社労士ですから、専門家、プロとして、経営者や労働者の相談に乗って適切なアドバイスをできるようにもなります。これに関しては、社労士でなくてもできます。
ただ、困ったときに「厳しい試験を突破した国家資格を持つプロ」、もしくは、「自称、すごく詳しい人」のどちらにも相談できるとしたら、どちらにお願いできるでしょうか?プロ一択ですよね。
独立・副業も夢じゃない?社労士にできる仕事内容をどう活躍に結び付けるか
さあ、社労士試験を突破したあなた!これからどうしますか?
ちょっと話題を変えましょう。社労士試験に合格した人はどんな人が多いと思いますか?
社労士が国家資格であることは述べたとおりですが、そのための社労士試験を実施する厚生労働省は、合格発表に合わせて「どんな人が合格したか」を発表しています。
直近のデータを簡単にご紹介しますね。
・年齢別;20歳代11%、30歳代30%、40歳代32%、など。
・職業別;会社員61%、無職11%、公務員8%、など。
・性別 ;男性62%、女性38%
となっています。
ちなみに、このブログの筆者である私は、30歳代の会社員男性です。読んでくださっている方も、おおよそ、ボリュームゾーンに該当するのではないでしょうか?
会社での仕事にも慣れてきたが、そのいっぽうで、現在のキャリアや将来に不安を感じるようにもなった。資格をいろいろ調べていたところ、「社労士」の存在を知った。
このブログなどをきっかけに社労士試験に挑戦。周りが仕事終わりや休日の余暇を楽しんでいる中、一生懸命に勉強して見事に試験に合格したあなた。
そこからどんなキャリアアップが目指せるのでしょうか?
今の会社で人事部への異動を目指すのか、会社を辞めて転職するのか、開業するのか、あるいは…
たくさんの選択肢がありますが、社労士としてどんな働き方ができるのかについて代表的な例をご紹介しますね。
企業内社労士
会社の人事部で人事や労務の担当者として専門知識を発揮します。
すでに人事部にいらっしゃる方がスキルアップのために社労士を目指すパターンもあれば、別の部署から「社労士資格保有者」として異動を目指す、あるいは、他社の人事部への異動を目指すパターンもあります。
ただし、社労士資格を持っているから必ず人事部へ異動・転職できるとは限らない、ということには注意が必要です。
ライバルに対する大きな優位性があり、自己PRの材料になることは間違いないですが、会社が現時点で必要としているのかどうかとは別の問題です。
独立開業社労士
社労士として独立開業を目指すパターンです。人事機能の小さな会社の手続きを代行したり、給与計算をしたり、あるいは、ハラスメント講座や人事制度の提案などコンサルタント的な業務をしたりします。
業務未経験で合格したけれど、いきなり独立するのは怖い。という方も当然いらっしゃります。独立開業した先輩が経営する事務所に転職して数年間修業をしてから、自分も独立開業するというケースも多くあります。
なかには、会社は辞めずに、「副業」として、本業の会社内に在籍しながら起業する副業開業社労士のパターンもあります。
政府が副業の後押しをしていることを受けて、最近増えてきているようにも感じます。
その他
このほか、企業のコンサルティングを専門に行う会社の一部門で「働き方コンサルタント」「労働コンサルタント」を募集している場合があります。その募集要項には「社労士」が必須条件となっていることが多く、そういったコンサルティング専門会社への転職の道も開けてきます。
仕事内容も豊富でメリットの多い社労士は目指す価値がある!
ここまで簡単に、社労士とはそもそもどんな資格なのか。どんな仕事ができるようになるのか。キャリアの幅はどう広がるのか。についてご説明してきました。
私自身も社労士試験に合格して、社労士になることができました。
試験勉強は大変でしたし、時間もかかりました。毎年のようにいろいろな法律が改正されるため、合格してからも勉強することが多いです。
企業内社労士として、合格前と同じ会社に勤務していますが、30歳代になって、自分のキャリアの選択肢の幅が増えたことは非常に心強いです。
会社からの異動辞令や好景気になるのを「待つ」のではなく、働く喜びや収入を増やすため自ら進むための強い武器を得られました。
最近ではリスキリング、副業、などがニュースの話題に上がることも多いです。選択肢はたくさんありますが、どうせなら一生モノの国家資格である社労士という資格にチャレンジしてみませんか?
試験勉強がほかの多くの資格や講座より大変なのはもちろんですが、それだけの価値がある資格だと、社労士の私は自信をもって言えます。