紛争解決手続代理業務試験(特定社労士試験)の勉強法

この記事は、紛争解決手続代理業務試験(いわゆる特定社労士試験)を初めて受験される社労士の皆さんに向けて書いています。

このブログを書いているのは2024年9月11日。

皆さんは11月末に実施される試験に向けて一生懸命勉強中…
というよりも、eラーニングでの中央発信講義を懸命に受講されているのではないでしょうか?

勉強しなきゃいけない、と思いつつも、今目の前にある講義をこなすことが精いっぱいだし、なんとなく、試験に役立つ勉強もできているはず…
という心境ではないでしょうか?合格率は毎年5割程度で、そうそう失敗しなければ合格できるはず。
だって、合格率1割未満の社労士試験を合格したのだから!

私もそうでした…

ちなみに私の経歴ですが、
 ・2020年8月 社労士試験(初)受験⇒不合格
 ・2021年8月 社労士試験(2)受験⇒合格
 ・2022年1月 社労士(その他)登録
 ・2022年11月 紛争解決手続代理業務試験(初)受験⇒合格
です。

「その他」登録とある通り、私は社労士として開業しているわけではなく、社労士事務所に勤務しているわけでもありません。ある事業会社で事務職をしています。人事部署でも勤務経歴はありますが、特定社労士試験受験時は、人事部署にはおりませんでした。

ちなみに、特定社労士試験の結果は、
 ・倫理 20点/30点満点
 ・あっせん 50点/70点満点
でした。

どう勉強したらいいか悩みを抱えている皆さんにアドバイスできることがある、ということは分かっていただけたのではないでしょうか。

先ほども書いた通り、特定社労士試験受験当時、私は人事部署で勤務していませんでした。
「人事の仕事してないから、人より不利なんじゃないか…」
と思っている方!大丈夫!心配不要です!!

では、読者の皆さんが特定社労士試験に合格できるよう、私の勉強法をご紹介します。

書いて書いて書きまくる!!

以上です。

過去問は持っていますか?
とりあえず、過去問を読むなりしましたか?

読む必要はありません!!書きましょう。ひたすら書きましょう。

準備するものは、
 ・「特定社労士試験過去問集(河野順一著)」(最新版のみあればOK)

特定社会保険労務士試験過去問集 第20回(令和6年度)試験対応版 [ 河野 順一 ]
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過去の試験も掲載されているので、最新版1冊のみ購入でOK


 ・ペン(必ず“本番”で使う黒インクのもの、フリクションNG)
 ・「過去問集」掲載の解答用紙を「A3サイズ(本番同様)」に拡大コピーしたもの
 (同じ年を5周以上するつもりで複数コピー推奨)
以上の三つです。

準備できましたか?では、書きましょう。書くしかないです。
私は当初、問題文をじっくり読んで、模範解答と解説を読んで「フムフム」と考える勉強(?)をしていました。しかし、これでは、自分の力にはなりません。
ゼロ、とは言いませんが、効率は良くないです。

さあ、書きましょう。

なぜ、とにかく書くことをオススメするのか。理由は三つあります。
①、回答の「型」を覚える
②、時間感覚を身に着ける
③、本番で思考が止まっても、手だけは動くようにしておく

一つずつ解説しますね。

①、回答の「型」を覚える

特定社労士試験の大きな特徴であり、社労士試験との決定的な違いは「筆記試験」だということです。厚労省の公式サイトにも模範解答例は掲載されず、私を含めたすべての受験生が、社労士試験とは異なる苦労を味わいます。

自分の書いていることが合っているのか間違っているのかわからない不安。
これは試験本番まで続きます。その不安を少しでも減らすため「型」を覚える必要があります。

筆記試験というのは回答の自由度が高いように見えますが、守らなければならない「お作法」が実はいくつもあります。

解雇無効の主張をする場合の「求めるあっせんの内容」は典型的なものです。
きっちりと型が決まっていて、こちらについては、回答の自由度は全くありません。
特定社労士、というのは、端的に言うと、弁護士の仕事が一部出来る存在です。

民事訴訟の訴状を読んだことがある方はいらっしゃいますか?
「求めるあっせんの内容」は、民事裁判の訴状に書く、訴えの内容とほとんど同じです。

特定社労士になるのであれば、こういった型はきっちり抑える必要があります。
この「型」を体にしみこませるのが、「過去問を解く」ということです。

「型」さえ覚えていれば、試験本番では問題文から必要なエッセンスを探して穴埋めするだけです。
本番で「型」を思い出している時間はありません。

書いて書いて書いて、まずは「型」を覚えましょう。

②、時間感覚を身に着ける

特定社労士試験の試験時間は2時間です。回答時間、ではありません。試験時間が2時間です。
この時間には、問題文を読んで、回答を考える時間も、もちろん回答する時間も含めての2時間です。

ちなみに、見直す時間は無いと思ってください。黒ボールペンで書いている以上、書き直すことは至難の業です。不可能ではありません。二重線で消して、余白に書くことはできます。

書き直すことも考えて、文字はマスの右下に可能な限り小さく書くようにしましょう。
(もちろん、採点者が読める大きさ、きれいさで書くことは大前提です)

やはり誤字もあるので、何文字か訂正することはあります。ただ、全部二重線で消してやり直し、というのは現実的ではないです。

一回書き始めたら、後戻りはできないと思いましょう。そのためにも考える時間は大事です。

倫理、あっせん、どちらから解くかは好みです。私はあっせんから解くことをオススメします。やはり頭が元気なうちに、配点の大きいあっせんにリソーセスを割きましょう。
あっせんの問題文は年々長文化しているうえ、近年は雇用契約書のような資料も登場します。読むだけでも時間がかかります。

そのうえ、一度回答を始めたら後戻りは難しい。どうしても焦りが出てきます。とはいえ、何回も問題文を読むことはできません。

この2時間という時間配分をどうするかの感覚を身に着けるためにも、過去問を解くことは大事です。
数周するうちに、1年分が1時間30分で解き終わるようになれば十分でしょう。
私は、1時間で解くことを目標にしていました。

③、本番で思考が止まっても、手だけは動くようにしておく

過去問を解いて、一人で採点をして、ある時はSNSで知り合った受験生仲間と採点しあって、何周も回して、回答を覚えるまで解いたとしたとしても、本番で手が止まってしまう時間はあります。

頭が回らなくなってしまうのです。

そんな時、最後に頼れるのは、過去問を解き続けた自分の経験だけです。

手が勝手に動いてくれます。●文字以内で書きなさい。と指示されたら、最低でも8割は埋めたいもの。
ただ、疲れや緊張、焦りが手を止めてしまいそうになります。言葉が浮かんでこない。

そんな時、手が勝手に動き出します。何度も何度も過去問を解くことで体が「定型ワード」を覚えていて、マスを埋めるために手が動きます。

その間に、頭を休めて、冷静さを取り戻して、もう1回、フル回転させるのです。
そしたらもう、頭も手も止まることはないでしょう。

試験が終わったら過去の自分に感謝するはずです。

さて、ここまでが特定社労士試験合格に向けた勉強法です。
まず頼るのは過去問です。

合格の可能性を高めるには、抑えたいポイントや過去問のさらなる活用などありますが、まずは書きましょう。

この記事を読んだ皆さんが、翌年の合格発表を見て笑顔になることを心からお祈りしています。

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